【ショッパー目線で読む】BUYMA エニグモ決済書
どんな状況下でも強く安定して稼ぐショッパーであり続けるヒントが、実はBUYMAを運営するエニグモが発表してくれている業績報告書に詰まっていることをご存知でしょうか?
株など投資でもしない限り、業績報告書を読む機会はないと思います。
それでも読むべき理由は、ただ一つ。
この決済書に書かれていることがバイマショッパーにとって宝の山だからです。
新型コロナウイルスの影響で売上げが下がったことが不安なショッパーさん、これからどう巻き返していけばいいのか悩んでいるショッパーさんにとって、ヒントとなる情報が詰まりまくっています。
今回は、2020年6月12日に発表された第一四半期決済短信(けっさんたんしん)の中から、バイマのショッパーの今後の売上げに役立つハイライト情報のみに集中して説明していきます。
そもそも決済書って何? 知っていると今後も役立つ基礎編
決済書とは、会社の成績表のようなものです。
本当に会社が儲かっているのか? 羽振りがよさそうでも、外から見ただけでは分からないことがあります。
これを数字で表したのが決済書です。
例えば、アパレルを扱う人気のセレクトショップが、「今年の売上げ(売上高)が去年よりも40%アップ!」、と発表したとします。一見、とても好調そうに見えますが、売上が伸びていても実は利益が出ていないどころか赤字ということも起こりえます。
そこで重要になるのが決済書です。
決済短信とは
決済短信とは決済書の速報版です。
今回エニグモが発表した「第一四半期決済短信(けっさんたんしん)」はエニグモ・BUYMAの成績表の2020年2月~4月版速報という意味です。
エニグモの第一四半期は、2020年2月1日~2020年4月30日
決済短信がBUYMAショッパーに利益をもたらす理由
決済短信は短期間のパフォーマンスに集中した報告をするので、タイムリーな情報を得ることができます。
今回であれば、COVID-19 コロナの影響でバイマの売上げが大きく揺れた、まさに3~5月期の状況が実際はどうだったのかを紐解く情報が満載されています。
まさにショッパーであれば喉から手が出るほど知りたい宝の宝庫です。
知っているだけでお金に強いショッパーになれる決済書の用語
決済書を難しく感じてしまう一番の原因は、聞きなれない言葉が多く使われていることです。
その中から、知っておくとバイマショッパーとしてアカウントの儲けを考えるときに役立つ用語を今回選びました。(注:イメージを得る目的の為、説明を簡素化しています。)
- 「総取扱高」
サービスや商品を提供することで得た売上げの合計額。
※値引きや返品された金額もひっくるめて入っています。 - 「売上高」
サービスや商品を提供することで得た売上げの合計額 - 「営業利益」
本業で得た利益。一般的に言われる”利益”は、この営業利益を指しています。
※一般的な経費(販売費)や人件費等(管理費)を差し引いた後の利益 - 「経常利益」
本業で得た営業利益に、本業以外(例えば、家賃収入や株取引など)で得た利益を足したもの。 - 「純利益」
収入からすべての経費(税金等など)を引いて、最終的に手元に残る純粋な利益
エニグモの決済書から読み解く本当のBUYMAトレンド
エニグモが発表した第1四半期決済短信は、2020年2月1日~2020年4月30日間のエニグモの成績の速報です。
まさに、新型コロナの影響をもろに受け、多くのショッパーが不安を抱えていた時期と合致しています。この速報から、バイマがどういう状況にあったのかを紐解いていきます。
※出典: エニグモ 2021年1月期第1四半期 決算補足説明資料
数字が語るBUYMA決済短信のハイライト
予想通りですが、昨年の同時期と比べてBUYMA市場はかなり落ち込んでいたことが数字から分かります。
● 売上高:13.4億円(対前期比 ▼2.0%) ● 営業損益:4.8億円(同▼21.1%) ● 総取扱高: 116.07億円(同▼1.0%) ● 会員数: 7,592,174人(同 +18.3%) ● 出品数: 昨年同時期の120%を維持 (好調)
※2月以降下がり続け、4月で底値 (同 ▼80%)
※5月以降は前年同期を上回り回復傾向 (+103%)
パンデミック時でもBUYMAが強かった秘密
売上の合計額(売上高)は2%の減少、それ以外の利益(営業利益、経常利益、純利益)は約20%ほどの落ち込みとなっています。
この数字だけを見ると新型コロナウィルスの影響が限定的であったかのような印象をうけますが、ここにはコロナの影響が少なかった2月、3月上旬までの業績が含まれている点に注目する必要があります。
売上げが減少する一方で、バイマの会員数は対前期比で18.3%増加と好調な成長を続けていました。
緊急事態宣言の影響により、普段は店舗購入派の一部がネットショッピングに流れてきたことで、4月に打撃率を受けたにも関わらず、その後5月にはV字回復をしてきたのではと分析します。
ショッパーの動向も数字が教えてくれる
バイマの成長を支えるショッパーの動きとして興味深いのが、出品に関するデータです。
コロナで買付けが困難な時期にも関わらず、出品数は維持されていたことが数字から読み取れます。諦めずコツコツと出品を続けたショッパーさんが多かった、という結果です。
外注経費の削減などもあり出品を中止または減少させたショッパーさんは、コロナの第二波など不測の事態がきた時の出品計画をするうえで役立つ情報です。
2月~5月のBUYMAのトレンド
※出典: エニグモ 2021年1月期第1四半期 決算補足説明資料
2月から4月にかけて、バイマの売上げがみごとに下がってきているのがグラフから分かります。
緊急事態が始まったことで消費意欲が落ちこみバイマの市場が冷え込んでいた時期です。
あなたのアカウントの受注傾向がこのグラフと同じような動きをしていた場合、ある意味必然的な状況であったので過度に落ち込む必要はありません。
実際、4月の総取扱高は前年比の80%と減少しています。ショッパーの戦略や努力だけでどうにかできる市場の状態ではなかったと言えます。
4月下旬以降のV字回復に注目
この動きも4月下旬に底を打ち回復基調に転換しています。
グラフを見ると4月下旬以降は右肩上がりになり、売上げがぐんぐんと伸び5月は対前年比で103%まで回復していることが分かります。
先ほどと違い、今あなたのアカウントがこのグラフと同じ動きをしていない場合は要注意です。バイマの流れに乗って5・6月の売上げが増加できていないことになります。
バイマから毎週月曜日に届く活動レポートの売上ランキングが毎週下降していないかを確認してみてください。このケースに当てはまる場合は、販売戦略や出品数などを見直してみることでアカウントの未来を変えるきかっけに繋がります。
出品カテゴリーによって明暗が分かれた4・5月
※出典: エニグモ 2021年1月期第1四半期 決算補足説明資料
アカウントの売上げが5月末までに回復していない場合、前項の「2~5月のBUYMAの動きと注意点」の分析で不安な気持ちになっているかもしれません。
ただ、取り扱っている商品カテゴリーによっては回復が遅れている場合もありますので、ご自身の出品傾向と照らし合わせてみてください。
いつもの売れ筋カテゴリーが落ちこぼれ組に
コロナ渦でバイマ市場が揺れ動いていた中、普段と変わらず同じ商品帯、カテゴリーの出品を続けたショッパーさんが一番痛い目をみたのが4月でした。
赤枠で囲ったカテゴリーは、通年を通してバイマで人気が高い商品です。
どのカテゴリーも4月は売上げが全体的にマイナス基調になっています。5月になって徐々に回復していますが、ハンドバッグはまだ前年比より落ち込んだままです。
緊急事態宣言で外出をする機会が制限され、アパレルやお出かけするからこそ欲しいアイテムなどに購入意欲がわかず、結果として買い控えが起こったと言えます。
バイマ全体の売上げが回復したとはいえ、このカテゴリーを中心に出品を続けている場合はまだ反応が鈍い可能性があります。
その場合は、取扱高が昨年比130%と目覚しい回復をしている6月現在のバイマ全体の受注状況とご自身のアカウントの回復度を比較してみることをお勧めします。微増でも受注が右肩上がりの傾向になっていることが重要です。
あるカテゴリーの出品強化をしたショッパーが勝者となった4・5月
先ほどとは反対に、普段はあまり目立つ動きをみせない青枠の「家具、セットアップ、ネックレス」の需要が激増したのが今回の特徴です。
緊急事態宣言により外出が減る一方で、Zoomなどのオンラインミーティングや飲み会などの新しいトレンドが起こりました。この変化をバイマは見逃さす、「家の中の需要」「オンラインで映える」カテゴリーにフォーカスをしたタイムイムセールなど、攻めのプロモーションで取扱件数を増やしていったと分析します。
実際に、取扱高が80%も激減したいた4月に、家具・メンズセットアップ・ネックレスは対前期比で100%以上の伸びを示しています。
普段の出品ブランドやカテゴリーに固執せず、市場環境の変化に柔軟に反応できたショッパーが最終的に売上を伸ばすことができたと思います。
万一コロナの第二波がきた時、今回の経験を活かして売れる商品カテゴリーから売上をあげる戦略にすばやく切り替えができるよう、今から準備をしておくことが大切です。
プレミアムパーソナルショッパー Aiの視点
バイマでショッパー歴8年の私ですが、ここまで世界中が影響を受け、自分一人の力で何ができるのか戸惑った経験は今回が初めてでした。
実際、エニグモも今後の売上予測がつかないようで、決済短信に「業務予測が算出困難」と説明するほど未曽有の事態が起こったのだと言えます。
バイマショッパーとして勝者で居続けるために必要なこと
ショッパー全員がこの時期、売上が下がっていくのをただ手をこまねいてみていたわけではありません。事実私の周りでも、売上の大打撃に泣くショッパーがいる一方、普段よりも売上が上がっているという方もいました。
経験したことがない環境に直面した今回、フレキシブルに考え、目の前にあるニーズに沿った出品を行い、その変化に対応すべく新たな買付方法へ舵取りを切り替える。この判断が迅速にできたショッパーは、今回の危機をうまく乗り越えることができたと思います。
この判断力のベースになっているものこそがショッパーとしての基礎力です。戦略をもたずモデリングから出品をするだけでは永遠に身に付かない領域です。
どんな状況・環境下でも、強く、安定して稼ぎ続けることができるショッパーになるために、マストで必要なこの基礎力について考えてみる絶好の機会が今です。
BUYMAの未来はまだまだ明るい
財務的には、総取扱高が前年比 50%を下回らなければ、利益を確保出来る収益構造である
この文章を読んで、正直なところかなりの衝撃を受けました。
昨年比で50%ほどの売上でも、ちゃんと利益が確保できる財務体質になっていますよ、とエニグモがわざわざ伝えています。
今回のような危機が訪れても、少々のことではバイマというプラットフォームが消え去ることはないという力強いメッセージです。
戦略をもってアカウント運営をしているショッパーであれば、バイマは未来のあるビジネスの場です。
どうしても気になるエニグモのこの指針
個人的に今回のエニグモの第一四半期決済短信の指針のなかで、去年までの認知度向上にフォーカスしたマーケティング戦略から「ビッグデータ分析」への変化に注目しています。
その理由は、この変化が今後アカウントや出品ページの作り方、顧客対応、多岐にわたって変化をもたらす可能性を秘めているからです。
考えただけで楽しみです。